タグ別アーカイブ: 村上龍

梅雨明けたから読書感想文『トパーズ/村上龍』


Topaz / Ryu Murakami

主人公はコールガールの女の子。憧れて止まないある男と街ですれ違い、女の子はその男の影を追っていく――自分は男だし、職業も会社員が長かったし、環境で共通する点はまったく無いのだが、何度となく繰り返しこの作品を読んでしまう。

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学校の教科書に載っているような物語を読ませただけで子供の感性が豊かになると語るな

book sale loot
book sale loot / ginnerobot

 子供の活字離れが・・・・・・と未だに耳にするが、本当に活字から離れているだろうか? それは潔癖な大人たちが子供らを眺めたとき、学校の教科書に載っているようなクソ面白くない物語から離れていっているからそう見えるだけだろう。

 今は昔よりもずっと活字に親しみやすくなったと言えるのではないか。質を抜きにすれば、ケータイ小説が台頭してきて、ライトノベルも安定し、電子書籍も普及してきた。例えば私だったら、小説をよく読むが、中学から高校くらいに掛けてブックオフが世に出てきて、その頃から100円で古本の小説を買うようになった。それまでは物語というものは学校の教科書に載っているような教訓じみた逆にイカレタものしかこの世にないと思っていたので、もっと早くに知るべき世界だったと高校生という幼いながらにも思ったものだ。ブックオフで100円の小説に手を伸ばしたのは単なる暇つぶしで、確か初めてはフィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」かダシール・ハメットの「マルタの鷹」だった。何かで耳にしたタイトルだった、それだけなのだ。

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みんな平等に持っている24時間をどう使うか、村上龍の才能論。そして「NEET株式会社」。

The future is...?
The future is…? / Yana Lyandres

 天から与えられた特別な能力を才能と呼ぶのではない
 みんな平等に持っている24時間をどう使うか、それに尽きる

 出典を忘れてしまったが、私が学生の頃に触れた作家・村上龍のコトバ、才能とは? 以下に引用したいと思う。自分が特別ではないことにひどく悲観し嫉妬していた頃に自分を見つめ直すキッカケになったコトバだった。

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失敗が許されない社会なのではなく、単に希望がない?

RSDigby_0577
RSDigby_0577 / Poetprince

 平成25年版の自殺対策白書によれば、20代の死因の半数近くが自殺であり、20~39歳の各年代における死因の第一位も同じく自殺なのだという。これは世界的にも尋常なことではなく、先進七か国で唯一日本だけらしい。これを知って、自殺について色々と調べていると、「何年就活しても仕事が見つからない」だとか、「家族や集団の中に居ても孤立し疎外感を感じる」だとか、「生きることそのものに疲れてしまった」「ただただ生きることが辛い」などと訴える若者が近年は本当に増えているという社会福祉法人などのレポを多く見つけることができる。それらを受けて政府は、若年層へ向けた対策が急務だ、と語っているらしいが、「若年層への対策」とは、一体、何なのだろうか。

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