Japan – Shibuya Crossing / Shaon Diwakar
総務省が2013年7~9月期の労働力調査を発表したが、これによるとパートや派遣社員などの非正規労働者は約「1,908万」人だったらしい。集計を開始した2002年1~3月期以降、これは最多だったというのだ。
なぜ非正規の仕事をしているのか? というある機関の調査結果を見てみると、「正規雇用の仕事が無いから」「自分の都合の良い時間に働きたいから」「勤務時間・休日などが希望と合わないから」という回答が多数を占めていた。
仕事が無い、という理由ばかりだろう、と思っていたら、自分のライフスタイルを優先した結果の選択であるという人が、思っていた以上に割合を占めていた。これには驚きだ。確かに、今の時代、新卒で就職しても、三年も経たずに転職する割合がかなり増えてきているし、転職して、それからまた三年も経たずして転職するという人も、もう珍しくない。私も過去に5社くらい転職したが、そういうことが恥ずかしくない世代だ。
非正規雇用は賃金面では非常にプアだが、正規雇用はその属した会社に魂を売っているようなものなので、その代償として賃金が高いと考えれば、自由と引き換えというのは、今の世代の考え方として納得がいく。人生を会社に捧げるか、ささやかな個人の満足を追求していくか、後者に幸せの在り方が傾き始めているのだろう。これは正しい選択に思えてくる。
一度しかない人生、色々なことを謳歌して楽しくストレスフリーに生きたいだろう。下らない会社に縛られて生きるくらいなら、賃金の低さと引き換えに自由を手にしたいだろう。ブラック企業が今更になって話題になる、こんな会社、過去から山のようにあったはずだ。人としてどう生きるべきなのか、という考えを当たり前に持てる社会にやっとなったのか。一昔前なら、務め上げて当然、だったわけだ。
「プア充」
宗教学者の島田裕巳が提唱している言葉である。「お金」よりも「自己の自由な時間」を優先して、そのゆとりの中で充足感を得ているのが「プア充」だ。1908万人、「プア充」を目指し始めている?
(アシベズヘア@ashibehair_m)
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