友だちとは? 友だちの定義とは? 本当の友だちとは? 本当の友だち・・・・・・いる?

Playing Alone
Playing Alone / naydeeyah

「ホントの友だちっています?」

 この有吉の問いに、マツコは絶句していたが、マツコと同じ想いを抱いた人は、少なくなかったのではないだろうか。いや、ドキリとした人は多かったはずだ。

 人間関係の希薄さが広がって、深みを目立たせてしまった結果、人は人を天秤に掛けるようになって、ますます孤独を増すようになった。もうそれが当たり前のことになってしまったと言ってもおかしくない状況になってきていると私は思っているが(つまりこれはもう元には戻らないと私は思っているが)、これらはビックリマンチョコやトランスフォーマー、スーパーファミコンが流行った世代から生まれてきた現象なのだろうと私は思っていて、「友だちが少ない」「友だちがいない」がこの世代、それ以降の世代にとってのある種のステータスになっているのだと感じている。「僕は友達が少ない」というような作品が流行るのもそれを物語っている。それよりも前の世代にとってはとても考えられない奇怪な現象に映っているのではないだろうか。だから、有吉やマツコにとっては違和感のある会話なのだ。

「ホントの友だちっています?」

 なんて、まさに愚問で、今の若い世代は、こんなことは口にしない。誰も答えを持たないからだ。そして誰もがその答えを探している。以下に、有吉とマツコのやり取りを引用する。

有吉: ホントの友だちっています?

マツコ: (絶句)

マツコ: うっさい、もう。

マツコ: 今よく考えてみたら、最近、ご飯とか食べてんのも、全部仕事関係の人だわ。

有吉: ああ、うん、ああ、そうなるかあ。

マツコ: 純然たるプライベートってある?

有吉: ボク、ボクはありますよ。

マツコ: ん?

有吉: ボク、ボクはありますあります、全然。

マツコ: 例えば?

有吉: え? 例えば?

マツコ: どういうお時間?

有吉: え、あの、こういう業界の連中じゃない奴とご飯食べに行ったりとか。

マツコ: どういう人?

有吉: どういう人? だから昔二十歳くらいの時にバイトしてたバイト先のなんか友だちとか。

マツコ: 何そのちょっと印象の良い話!

有吉: 何がよ、いや、そんなもんでしょうよ。

マツコ: ホントに? えー、すごいね、アナタ! アタシ、過去は全部切ってきた女だから、誰もいないのよ。

有吉: オレも高校時代までは全部切ってんだけど、こっち出てきてからは何人か。

マツコ: 夏目は?

夏目: 私も小学校、中学校、高校、大学と、それぞれの友人に会うことはあります。

マツコ: 小学校!? 偽善だろ!?

夏目: いえいえ、もう、ずうっと。

マツコ: 自分から言うの?

夏目: だったり、向こうから言ってきてくれたり、とか。

有吉: ご飯食べようよって?

夏目: はい、定期的に会う友人。

有吉: まあまあ、ないこたないよねえ。

マツコ: カメラさんは?

カメラ: ある。

マツコ: あるー?

有吉: 総裁でもあるよ。

マツコ: あるー? ある!?

有吉: たぶんボクがあるってことは、みんなあるよ。

マツコ: アタシもう、何にもない。

有吉: あそう。

マツコ: 幼馴染なんて一人も連絡取ってないし、だからもう一番古い関係で、ミッツさんとか、だよ。

有吉: でもまあ、業界の人っちゃあ業界の人。

マツコ: もうだからそうなっちゃったら違うじゃない、もうミッツさんとただの友人かって言ったらもう違う、仕事現場でも一緒になるから、ダイアナさんも最近テレビ出てるし、もうアタシはだから稼げなくなったら終わりよ。アタシにうまみがあるからみんな周りに居てくれるけど、アタシに何のうまみも無くなったら周りから人が誰も居なくなるのよ。ミッツさんとダイアナさんだけになるのよ結局。ミッツさんとダイアナさんだってもうこうなったら分わかんないわよ! いやあ、ちょっと怖いね。え、でも、今からプライベートの・・・・・・。

有吉: もう難しいよ、こっからは難しいよ、やっぱり。

マツコ&有吉の怒り新党
#115
6月26日放送

 有吉はこう言うが、今の若い世代の間では、マツコの境遇の方があるあるになっている。むしろ、有吉と夏目三久のケースの方が稀だ。

 「切ってきた」という表現が適切かは分からないが、例えば学生の時に休み時間は会話したし昼食も一緒だったけど、卒業したらぱったり音沙汰なしというのはよくある話で、夏目三久は相手から誘いがあったというが、相手も自分も、「一体誰が友だちと呼べる存在だったか?」を勝手に吟味、定義して、結果、「切った」「切られた」という状態に陥っているのだと私は考えている。「相手は友だちと思っていないかもしれない」という発想もこの中には含まれていて、こんな発想をするのも、この世代からではないだろうか。これよりも前の世代は、「友だちがいない」なんて口が避けても絶対に言えなかったはずだ。いなくてもいるフリをして。

 私の母親はそうだった。私が夏休みのほとんどを一人で家で過ごせば、友だちは居ないのかと非難し、私が高校生の頃にインターネットが爆発的に普及してオフ会を経験してみた時は、学校で同世代の友だちを作れそいつらと会う必要はないと否定された。思春期の為反発はしたがこれには実は理解ができた。人の繋がり、ましてや近い存在に繋がりを作れなければ社会を形成できないと不安になるのは当然のことだ。ただそれで問題がなかったのは、自分以外の同世代の者もみんなそういう状態になり始めていたからだ。多数かと言われれば違うが、少数ではなかった。

Japanese High School Photos
Japanese High School Photos / Danny Choo

 では、友だちを作る適切な時期は、学生の頃なのだろうか? 確かに、社会人になれば仕事に忙殺されそれ以上の関係は築きづらいかもしれないが、同世代だけが友だちの候補というのは、それこそ視野が狭すぎるのではないだろうか。

 友達とは何か。浮気のボーダーではないが、学校で友だちを作る場合、以下のどれが友だちの基準になるだろうか。以下のどれをクリアしたら友だちだろうか。

1.お互いをあだ名で呼ぶ
2.お互いの下の名前を知っている
3.メアドなど連絡先を知っている
4.登校時に見掛けたらお互いに声を掛ける
5.毎日、待ち合わせして一緒に登校する
6.休み時間毎に行動を共にする
7.課題の答えを見せ合う(教え合う)
8.体育で何も言わずともペアになる
9.昼食を一緒に取る
10.毎日、一緒に帰る
11.一緒に帰るついでに遊びに行く
12.休日も遊びに行く
13.クラス替えで別々になっても遊びに行く
14.学校を卒業しても遊びに行く
15.遠方に引っ越してしまっても定期的に遊びに行く
16.他愛もない話で笑い合える
17.お互いに何でも腹を割って話ができる

 私の場合は、「14.」だった。同じ組織に属している間はトラブルを避ける為に馴れ合っていると考えていたからだ。組織を外れてから本当の関係を確認することができると考えていた。卒業後、「14.」に該当するものは一人もいなかったと分かった。

 結局、上記のように、友だちの「定義」を考え出した時点で、答えはなく、友だちができなくなる。巷に溢れる啓発本を見ても、友だちは少なくていいだとか、一人の深い絆の友を見つけよだとか、じゃあ深いとは何なのか? だとか、人間関係、友だちを定義したがるものばかりで、それはもう末期だ。友だちを定義するようなものにしてしまったら、もう友だちはできない。新友、親友、信友、心友、神友、真友、深友、針友、辛友、というのが流行ったが、システマチックにランクづけしてしまった時点で、もうその相手は自分の友だちではなく自分で描いた世界の何らかのロールに過ぎなくなっている。

 本当の友だちとは、こういったことを感じさせない関係なのだろう。私にはもはや分からない。

 余談だが、ある学者が論じていた、父母から信頼を得られなかった子どもは、他者を信じられなくなる為、友だちが出来ないのだと。自分は友だちがいないなあ、と思う人は、家族の関係が希薄だったということに心当たりはないだろうか。悲観している人は、環境のせいにして、少しは気持ちを楽に。

(平成25年8月9日 アシベズヘア@ashibehair_m

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